透析のしくみ

腎不全には、血液透析、腹膜透析、腎移植などの治療法があります。
透析は、体内にたまった尿毒素の原因物質や老廃物の排泄、血液中のナトリウム、カリウム、カルシウムといった電解質と酸性・アルカリ性のバランスの維持、体液量の調節を代行する治療法です。
腎臓の機能を取り戻すには、腎移植が最も理想的な方法ですが、腎移植には提供者の確保という問題があり、なかなか普及しないのが現状です。
透析は今日、腎不全治療の主流であると同時に、腎移植を除いては唯一の治療法といえます。

血液透析の方法

まず、シャント手術をして静脈にたくさんの血液が流れるようにします(この手術は一時間もかからない簡単なものです)。血液をシャントから血液ポンプを介して薬200ml/分の早さで取りだし、ダイアライザーの中を通します。
そこでは人工の膜でできた細い管の内を血液が、外を透析液が流れ、両者間で物質交換が行われます。
つまり、不要な物質は血液中に移行し、血液がきれいになり、からだに戻ってきます。
このとき、血液が固まってしまわないように坑凝固薬を使用します。
また、透析液は供給装置で音頭、濃度がチェックされた後、ダイアライザーへ供給されます。

ダイアライザー

血液と透析液が接して老廃物が除去される部分をダイアライザーといいます。
ダイアライザーは、人工の膜でできた細い管で構成されていて、その膜は腎臓の糸球体によく似た機能を果たします。すなわち、血液と透析液が膜をはさんで物質交換するわけです。
ダイアライザーの膜は、広げると風呂敷一枚くらいの大きさになります。

坑凝固薬

血液は体外に出ると固まってしまいます。
血液透析を行う為には、血液の凝固を防ぐ為に坑凝固薬が必要となります。
坑凝固薬としてはヘパリンや低分子ヘパリンが用いられます。
これはきわめて少量でも確実に血液の凝固を防ぎます。

シャント

透析装置で充分な量の血液をきれいにさせるために、動脈と静脈を結合させてシャントをつくります。
このおかげで、一分間に200mlもの血液をダイアライザーに送れるのです。
シャントには内シャントと外シャントがありますが、現在は内シャントが主流です。
シャントは透析者の命綱でもあります。

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