SLEの療養期間

寛解と再燃をくりかえすことが多い

SLEの経過中に、症状のまったくない状態(寛解状態)と病気が悪くなって症状が出てくる状態(再燃状態)が交互にくりかえす特徴があります。
したがって、寛解状態をできるだけ長くつづけられるような治療と管理が必要です。

SLEの患者さんが寛解状態にあっても、医師は決して「SLEが治った」とはいいません。
このような場合、「おちついた状態」とか「寛解状態」とか「よくコントロールされている」とかのことばを用いて話をします。
なぜなら、SLEは寛解と再燃を繰り返しますので、寛解のあとに再燃・悪化の兆候が出てくるかどうかを注意深く観察しつづければならないからです。

SLEが再燃・悪化する時の前ぶれには、寒気、だるさ、活力がない、元気がない、発熱、体重減少、それまでみられなかった新しい症状などがあげられます。
病気が「おちついた状態」になるまでは時間がかかります。
どれくらい時間がかかるかは、病気の状態にもよりますし、患者さんによっても異なります。
病気の活動性が強く、重い状態の時には、入院が必要となります。

入院は短期間ではすまないことが多い

治療のための入院、または、検査をして病気の状態を把握し治療を行うための入院ということになりますと、短期間の入院ではすまないかもしれません。
少なくとも、ステロイド剤がプレドニン換算で一日40ミリグラム以上必要とする状態では、入院することによって、安静が保て、毎日の病状の変かを観察することができ、薬の副作用のチェックや合併症の防止(とくに感染症)が可能なのです。

ステロイド薬、この点はおぼえてほしい

ステロイド剤で治療を行いますと、病状が劇的に改善されることが多いのです。
とくに、発熱や関節の痛み、たるさ、無気力などの自覚症状は、早期に消失します。
しかし、ステロイド剤を急に減量したり中止にしたりすることはないのです。
自覚症状がなく、気分はすっきりよくなったのにもかかわらず、どうしてまだこんなにたくさんのステロイド剤をのまなければならないのか、と疑問に思われる方がおられるかもしれません。
実際には、まだ、尿に蛋白がたくさん出ていたり、胸や心臓に水がたまっていたり、血液検査の異常がつづいていたりしているのです。
自覚症状も消えて、検査の異常値も改善され、炎症による内臓の障害もよくなりますと、ステロイド薬は少しずつ減量されます。そして、多くは順調に維持量まで減量されるのです。

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